ベータ版とは?アルファ版との違いやβ版サービスについて解説!
ベータ版は、ソフトウェアの開発者にとって、ソフトウェアの品質を向上させるために重要なものです。ベータ版を使用して、ユーザーからのフィードバックを集めることで、開発者はソフトウェアの不具合を修正したり、機能を追加したりすることができます。ユーザーはベータ版に参加することでソフトウェアの正式版をリリースする前にソフトウェアの試用ができ、ソフトウェアの開発に貢献することができます。この記事では、ベータ版の基本的な内容の説明をもとに、「さくらのIoT」が提供するβ版サービスについて解説します。
ベータ版とは?
ベータ版(β版)とは、正式版をリリースする前にユーザーに試用してもらうためのサンプルのソフトウェアです。ベータバージョンという場合もあります。ベータ版は、正式版に近い状態で無償もしくは安価で提供され、ユーザーはベータ版を使用して、ソフトウェアの機能や使い心地をチェックすることができます。また、ベータ版では、ソフトウェアにバグや不具合がないかを確認するために、ユーザーからフィードバックを集めることもできます。
ベータ版とアルファ版の違い
ベータ版とアルファ版の違いは主に以下のとおりです。
アルファ版 | ベータ版 | |
---|---|---|
バグや不具合 | 多い | 少ない |
機能の充実さ | まだ少ない | 正式版に近い |
ユーザーからの フィードバック目的 |
初期的なフィードバックを得るために使用される | 開発者が製品やサービスの完成度を高めるために使用される |
アルファ版とベータ版は、どちらも開発の過程で重要な役割を果たしますが、アルファ版は開発初期段階で公開されるバージョンで、まだ完成品ではありません。ベータ版はアルファ版よりも開発が進んでおり、より完成度の高いバージョンです。
ベータ版とアルファ版の由来は?
アルファ版とベータ版の名称は、ギリシャ文字のアルファとベータから由来しています。アルファはギリシャ文字の最初の文字で、ベータは2番目の文字です。アルファ版が開発の初期段階にあり、ベータ版が開発の最終段階にあることを意味しています。
さくらのIoTのβ版サービスとの関連性
ここまでをまとめますと、一般的にベータ版サービスは開発者にとってユーザーフィードバックを貰い、正式版サービスをリリースするために、サービスの精度を高めていくことを目的としています。
さくらのIoTのβ版サービスでは、上記の内容の意味合いも含まれておりますが、月額サービスとカスタマーサクセスを重視して取り組んでいることが非常に影響が大きい為、開発者とユーザーの循環の向上、すなわちストック型ビジネスにおけるLTV(Life Time Value)の向上を目指しております。次の章ではさくらのIoTのβ版サービスを具体的に解説します。
さくらのIoTのβ版サービスについて
2023年6月、さくらインターネットでは「さくらのIoT」ブランドのサービスである「さくらのセキュアモバイルコネクト(以下セキュモバ)」および「さくらのモノプラットフォーム(以下モノプラ)」の2サービスにおける【β版サービス】を定義しました。β版サービスとは、いわば「お試し」として提供される機能であり、ユーザーはそれらの機能を無料で使い、いち早くその機能の利便性を体験できます。一方でβ版サービスは商用向けの機能とは異なり、稼働時間や復旧目安といったサービスレベルや、将来にわたって継続的に提供される保証があるわけではありません。
弊社のIaaSである「さくらのクラウド」においても、「Labプロダクト」という形でいくつかのサービスが試験的に提供されています。(Labプロダクトとは(さくらのクラウドドキュメント))
「なぜそんな未完成の機能を先行してサービスとして公開するのか」というご意見もあるかと思います。今回は古くから月額課金、いわゆるサブスクリプションサービスの提供に携わる企業として、その背景や想いについてご紹介させていただきます。
月額サービスとカスタマーサクセス
さくらインターネットのサービスに限らず、「サブスクリプション」や「リカーリング」といった月額サービスは、「フロー型」ではなく「ストック型」のビジネスモデルです。ユーザー目線では、気軽に始められ、また気軽にやめることもできる月額サービスにおいて、品質の考え方は従来型のソフトウェアやシステムインテグレーションとは大きく異なります。導入当初が最高の品質で徐々に劣化していくのではなく、継続したアップデートを経て品質が徐々に上がっていきます。
また提供者目線では、ユーザーから継続的に料金を支払ってもらうことで、最終的には買い切り型以上に高い利益(LTV/Life Time Value:顧客生涯価値)を得ることができます。そのため、「そのサービスや機能によってユーザーが成功しているのか」という「カスタマーサクセス」の考え方が重要となります。
【参考】サブスクリプションのメリットとは?ユーザー側、提供側それぞれの視点で詳しく解説
開発と顧客の循環
カスタマーサクセスやLTVの観点からも、月額サービス提供者は市場のニーズを捉え適切なアップデートを続ける必要があります。ただし、ユーザー自身は市場のニーズに完全に沿った行動をしているわけではなく、場合によっては自分自身のニーズに気づいていないケースもありえます。
そこで月額サービス提供者はユーザーのニーズを喚起したりニーズをさらに具体化するため、「たたき」となる機能やサービスを先行して提示してユーザーの反応を見ることが必要になります。β版サービスを提供することで、ユーザーの利用状況やインタビューを通じてニーズを把握し、β版サービスをより洗練して正式サービスとしてリリースしたり、場合によっては新たなサービスのニーズに気づくことができます。
さくらインターネットは自社でコンピューティングリソースを文字どおり「売るほど」持っています。その資源を最大限に使い市場調査としてβ版サービスとしてリリースすることで、「開発」と「顧客対話」を素早く回し、サービスアップデートのサイクルや精度を高める取り組みを行っています。
【参考】あつまれ CSの沼!~運用や開発やマーケだってカスタマーサクセスしたいんだも!~
まとめ
いかがだったでしょうか。さくらインターネットはβ版サービスを通じて以下の実現を目指しています。
- 自社が持つ潤沢なコンピューティングリソースを活用して、「市場が求めるかもしれない機能」を「β版サービス」として提供する。
- β版サービスによりユーザーのニーズを喚起、およびフィードバックを得て、素早くかつ継続的にサービスの品質を高めていく。
- それによりサービスが選ばれたり、選ばれ続けることでストック型ビジネスを成立させていく。
今後もお客様の困りごとを解消する機能を提供し続けることで、サービス提供者としての成長を目指します。
IoTコラムでは、さくらのIoTに関係するビジネス向けの内容や身近な例、通信技術の説明や当社エンジニアが取り組んだ開発サンプルなどを掲載しています。※ 本記事は一部Google Bardを使用して執筆しました。