なりすまし・フィッシングメール・偽サイトにご注意ください

さくらのIoT

IoTで出来ることは色々ありますが、IoTを活用することで私たちの生活が便利になり、企業も生産性向上することが期待できます。この記事では私たちが利用できるサービスの身近な例や、企業がビジネスとして活用していることを解説するとともに、当社サービスを活用していただいている、お客様の導入事例などをご紹介します。

IoTで出来ること

IoTでできることは様々ありますが、共通して言える例としては「人が介在しなくても、モノが自動でサービスを提供してくれるシステム」を作ることができることです。「デバイス(センサー含む)」「ネットワーク(インターネット含む)」「アプリケーション(サーバ含む)」の3つの仕組みさえあれば、あらゆるモノ・コトのへの応用が可能なことから、IoTは次世代産業に欠かせないものとなり、私たちのライフスタイルまでも一変させると言われています。IoTでは、モノがインターネットにつながることで自律的に制御や活動を行うことにより、自動でサービスを提供してくれます。

IoTのメリット

IoTのメリット・デメリットについては、はっきりと断言することは難しいです。IoTは一つ一つの要素技術の進化によって成り立つ完成された技術ではないので、端的に言えば「事例ごとにメリット・デメリットがあり、それらもまた進化していく」と考えたほうが良いでしょう。
広義で捉えるIoTの現状で特筆すべきメリットは「効率化・生産性向上」と「あらゆる分野への参入」です。効率化・生産性向上については、ものに取り付けられたセンサーがインターネットにつながることで、さまざまなデータを人の手を介さず自動で集めることができ、分析・検証から生産性の向上に取り組め、また新しいビジネスモデルを練ることができます。

IoTのデメリット

一方でデメリットは、企業にとっては「法律の課題」、エンドユーザも含めれば「セキュリティの課題」が挙げられます。セキュリティに関しては特に心配する声が多い反面、現状ではサービス開発が先行し、対策が後回しになっている印象があります。IoTは常時インターネット通信をするデバイスが多いため、攻撃者によるクラッキングやハッキングにより、機密情報窃取やシステムダウンなどの大規模障害につながる事故に発展する危険性が高まります。

IoTの身近な例

IoTの例は身近に存在します。パソコンやスマートフォンに限らず様々なモノがインターネットに繋がりますので、IoTが普及すれば衣服(ウェアラブルデバイス)や家電(スマート家電)や家屋(スマートホーム)といった製品やサービスが普及する可能性があります。例えばバス停に存在するQRコードを読み取りバスの到着時間を知る事ができるサービスや、家電が通信することでボタンを押すと近くに住んでいる親族に一人暮らしの老人の生存が確認できる仕組みも存在します。また、子供の安全確認のために通信タグを配布し、登下校時の校門通過時間をスマートフォンで親に知らせる認証実験なども行われています。

IoTで様々な機能を実現

IoT家電(スマート家電)

インターネットと接続し、さまざまな機能を持つのが「IoT家電」です。外出先でも電源のON/OFFや温度調節など遠隔操作のできるエアコンや、食材の減り具合を検知する冷蔵庫、部屋にいるペットの様子を確認できたり、防犯の役割もするカメラなど様々な種類のIoT家電があり、非常に利便性が高いことが特長です。スマートスピーカーと連携してコントロールできる家電が多いので、声だけで操作できるのも魅力のひとつです。家事を楽にしてくれるIoT家電は、私たちにとって身近な存在となりつつあります。

IoTで確実な施錠

スマートロック

スマートロックは、スマートフォンからカギの操作ができます。外出先からでもカギの施錠や解錠が可能で、カギの閉め忘れがなくなり防犯になります。また物理鍵ではないので、鍵の紛失の心配もありません。ハンズフリー解錠に対応している商品であれば、両手に荷物を持っていても手を使わずに解錠可能です。スマートロックを活用すれば、場所の時間貸しなどで利用されるシェアリングエコノミーなどのサービスが発展するでしょう。

IoTで生体情報を計測

ウェアラブルデバイス

ウェアラブルデバイスは、腕時計や指輪など、身体に装着するものです。センサーによって身体の動きや心拍数、睡眠解析などの情報を計測できます。身体の状態が把握できるので、健康管理をするうえで便利です。海外を中心に医療の分野でも注目を集め、ウェアラブルデバイスで取得したデータを利用し、新たな医学の研究報告や臨床試験の報告も増えています。またスポーツの分野では、選手の身体のコンディションを計測しトレーニングで活用しています。

IoTで購入情報を取得

無人決済店舗

海外ではAmazonGoのような無人決済店舗が存在します。AI(人工知能)技術を活用し、決済は電子マネーやQRコード決済で行われます。店舗内のセンサーとスマートフォンなどの端末との通信で決済が行われるところにIoT技術が使われています。国内でもコンビニエンスストアがQRコード決済で実証実験を行っているところもありますが、実用化されれば将来的には無人店舗が各地で誕生する時が来るでしょう。

IoTで駐車場の車をカメラで監視

カーシェアリング

駐車場を活用したカーシェアリングのサービスは、駐車場にカメラやセンサーを取り付け、常に監視することで車が止まっているかどうかを認識し、車両の利用可能な状態を把握できる仕組みです。ユーザはクラウドサービスで自動車の空席が確認できたら、車両を予約しレンタカーのように利用できます。

IoTで快適な住居を実現

スマートハウス、スマートホーム

スマートハウスは、電力会社などが家の電力使用のコントロールを行い、太陽光による発電状況や水道の使用状況をデータ化して効率化を図ります。スマートホームは、家電がインターネットでつながり、温度、照明、冷蔵庫の中身などを確認でき、家電の操作を遠隔で行うことができます。また今後は、ハードウェアが進化すればAI技術と合わせて「家事・介護ロボット」などの普及が進むとも考えられます。

IoTサービスの活用事例

サービスなどでビジネス展開されているIoTの活用事例では業種ごとに特徴があります。例えば、小売業(リアルタイムに複数店舗のデータを管理)、製造業(センサーで集めた情報を可視化・分析)、医療業(患者の生体情報を伝送しスマートデバイスで共有)、金融業(誰でも持っているスマートフォンで支払い可能)などです。このようにIoTの活用パターンは各業界のニーズによって分類され、様々なサービスに特徴がある活用方法があります。また以下は各分野でIoTを取り入れた例を記載しますのでご覧ください。

IoTを活用し、エネルギー分野で業務効率化

スマートメーター、スマートグリッド

スマートメーターとは、各家庭に設置されている通信機器付きの電力計(電気メーター)です。従来の電力計は、検針員が各家庭を訪問して電気の使用量を目視で確認するために使われてきました。通信機器付きの電気メーターに代わることで、電気の見える化ができ検針作業の効率化が可能となりました。スマートグリッドとは、電力会社が電力マネジメントを行っている統合的な考え方のことです。スマートメーターで検針作業の効率化をした後、各家庭で利用されている「太陽光発電」「ガス発電機」などを通じて家庭内の発電量、電気の使用量を見える化することで、電力の節約などに貢献できるようになりました。電力会社は、どの地域や家庭にどれだけの電力を送ると効果的なのかが、わかる様になり電力マネジメントの効率化も進んでいます。

IoTを活用し、人手不足を解消

スマートホテル

スマートホテルはホテルの従業員の業務を自動化し清掃員以外は無人化したホテルのことです。一般的なホテルの業務やサービスを無人化した場合「オンライン予約システム」「チェックイン機やタブレットを利用したチェックイン/アウトの自動化」「スマートロックによる入退出・施錠/解錠の自動化」「専用端末などで室内設備の集中制御」「AIコンシェルジュ」などを利用し、これまで人間がやってきた仕事をコンピュータによって自動的に実施しています。

IoTを活用し、保守点検作業や道路情報を監視

スマートハイウェイ

スマートハイウェイは高速道路の「保守点検の自動化」「道路情報分析の高速化・高精度化」の機能を持っています。これまで危険の伴う高所での保守点検作業と常に発生する渋滞や事故、落下物などの異常検知を人力で行っていました。IoTと5G通信を利用し自動化することで、このような重要な情報をリアルタイムに把握でき、情報の精度が向上するような認証実験も実施されています。

IoTを活用し、生産性向上と効率化、ビジネスモデルの変革

スマート工場

製造業は「第4次産業革命(Industry 4.0)」と呼ばれる、ドイツ政府の高度技術戦略から生まれたプロジェクトである「スマート工場」の実現で、新しい価値やビジネスモデルの創出を目指す取り組みが進んでいます。スマート工場(スマートファクトリー)とは、製造設備が互いにつながり人の介在なくして、部品手配や製造工程の最適化を行うことができる次世代工場です。また異なるメーカーの製造設備がネットワークでつながり、企業をまたいだ製造活動が可能になります。

スマートマット

スマートマットとは重量計にWi-Fi機能を追加したものです。定期的に倉庫に敷き詰められたマットの重量を計測してクラウドにデータを送信する仕組みです。これにより「在庫管理→商品発注→商品補充」という一連のサイクルを完全自動化し、発注業務の無人化を実現する事ができました。

MaaS(Mobility-as-a-Service)

IT企業と自動車製造会社の連携によるMaaSが存在します。これまで自動車産業は自動車を製造し販売までを目的とした企業活動を行ってきました。しかし、今後訪れる自動車の電動化や自動運転の流れの中で従来のメーカーだけではなく、特にIT企業の参入によりビジネスモデルが変化してきます。自動車の製造から自動車を活用したサービスの提供となりビジネス領域はこれまでよりも格段に広く展開され、その中でMaaSは「移動における社会課題の解決を実現」をするものとして、これからの社会に大きな影響を与えていくでしょう。

IoTの導入事例を紹介

IoTの導入事例を3つ紹介します。データ収集をし、分析することによってビジネスの幅が広がります。

IoTの導入により、手動式樋門開閉を自動化

IoT遠隔監視制御システムを「さくらのセキュアモバイルコネクト」「さくらのクラウド」を活用して構築しました。クラウドが持つ柔軟性に加えて、専用のSIMを組み合わせることで、シンプルでありながら閉域ネットワークによる高いセキュリティを実現しています。

センサー通信を主体とするIoT機器を通じたネットワークを提供

IoTサービス開発においては、携帯回線の高額な基本料金や、場所によって電波が届かない無線特性、複雑に組み合わせる必要がある技術要素、といった課題が浮き彫りになりました。そこで安価でセキュアなIoTサービスを素早く提供できるよう、当社の高セキュアな閉域型ネットワークを提供するIoT向けのSIM サービス「さくらのセキュアモバイルコネクト」を採用いただきました。

IoTを活用し、エネルギー自給率向上を目指す

宮古島で太陽光発電システムやIoT技術を用いたエネルギー需給管理システム(EMS)によるフィールド実証に挑んでいる背景に、家庭設置用コントローラーを開発をしました。そのIoT通信サービスとして、さくらインターネットの「セキュアモバイルコネクト」を採用いただききました。

まとめ

最後にIoTの出来ることについてまとめます。

  • IoTで出来ることは「人が介在しなくても、モノが自動でサービスを提供してくれるシステム」を作れること
  • 身近な例は「家電」「ウェアラブルデバイス」「住宅設備」などでスマートフォンを活用し利用されている
  • 国内のIoTサービスも自動車分野やエネルギー分野、製造分野などで試験的に実装し始めている

IoTの活用によって企業には生産性向上の可能性があり、これからもアイディア次第で様々な新しい事業やサービスが次々と誕生してくるでしょう。

IoT通信サービス(IoT SIM)を詳しく知りたい方へ

IoT SIMの資料

近年はIoTの様々なサービスが誕生しています。IoTの身近な利用例や将来の可能性を背景に、サービス提供者が抱えるIoT通信の課題から見えてきた、SIMの活用方法を解説します。

IoT SIMの導入を検討している方へ

IoT SIMサービスの導入について相談したいなど、ご要望がございましたら以下のボタンから移動するフォームより、お気軽にお問い合わせ下さい。

参考
  • IoTビジネス研究会 著,2020年『60分でわかる! IoTビジネス最前線』技術評論社
  • 図解即戦力 IoTのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書 IoT検定パワーユーザー対応版 技術評論社
  • 60分でわかる! IoTビジネス最前線[改訂2版] (60分でわかる! IT知識) 技術評論社
  • 経済産業省 中小ものづくり企業IoT等活用事例概要資料
2022年12月公開