さくらのモノプラットフォーム

クラウドとIoTプラットフォームの関連性

IoTシステムの構築・運用には、クラウドとIoTプラットフォームの両方の技術が不可欠です。両者を組み合わせることで、IoTシステムの可能性を最大限に引き出すことができます。

IoTの概要

IoT(Internet of Things)は直訳すると「モノのインターネット」です。IoTのモノの定義はインターネット接続されうるモノ全般と理解しておくと良いです。電子機器や家電製品といったものや、インターネットの接続できないモノにも通信デバイスを取り付ければインターネットに繋がることができるので、身近にある全てのモノにも繋げることができます。IoTを活用したサービスはアイディア次第で無限の可能性があると言って良いでしょう。

IoTの特徴

例えばIoT化された未来は、すべてが繋がり、すべてが見える化されるので、遠隔での状況確認や操作が可能となります。また、センサーと通信機器を搭載したIoT機器から集められるデータはサーバに蓄積されます。蓄積されたデータを分析見える化することで、これまで人間が気づかなかったことにも気がつくようになり、新しいサービスや仕事が誕生して来ます。IoTはビジネスチャンスが豊富な分野であり、IoT開発を通じてサービスを誕生させるには、アイディアの段階である企画フェーズが重要になってきます。「どのような理念を掲げるか」といったようなビジネスの目的、思想、理念などの気持ちの部分で躓いてしまうと、すべてが台無しになってしまう事になりかねないので、目的から手段を考える「トップダウン的アプローチ」の企画で「IoTで実現したいこと」を考える事が重要になってきます。このような理念から生み出されたIoTサービスによって、様々なモノがインターネットに繋がり、私たちの生活も大きく変わる未来がやってくるでしょう。

IoTの流れ Flow

IoTの全体像は以下のような概念図の流れで見ることができます。IoTサービスは、ビックデータ、クラウド、AIと言った技術と連携することで様々な種類のサービスが誕生すると言われています。

IoTプラットフォームを詳しく知りたい方へ

さくらのモノプラットフォーム

IoTサービスを提供している背景にはIoT開発が必要です。開発に必要なプラットフォームサービスである「さくらのモノプラットフォーム」をご紹介します。

IoTの仕組み

IoTシステム構築は「デバイス(センサー含む)」「ネットワーク(インターネット含む)」「アプリケーション(サーバ含む)」の3つの仕組みがあれば、どこでも実現できると言えます。モノ(デバイス)に搭載されたセンサーと、通信機能を搭載したIoT機器から収集されるデータはクラウド環境のサーバーに蓄積されます。データを分析し、見える化することにより、これまでの人間が気が付かなかったことに気がつくようになり、新しいサービスや仕事が生まれてきています。

デバイスに搭載されたセンサーとクラウド環境をインターネット接続するイメージ

IoTプラットフォーム

IoTプラットフォームはIoTサービスの実現に便利な機能を集めた(統合した)PaaSです。例えばIoTデバイスとの通信を仲介したり、データを蓄えたり、可視化するという機能をミドルウェアとして提供します。また、何らかの意図があってエンドユーザーに価値を提供するのがSaaSであるため、IoTサービスの司令塔はSaaSです。代表的な機能はビッグデータの蓄積、人工知能(AI)による統計処理、プログラムの実行、デバイス管理などです。SaaSが価値提供を実現するために利用するのが道具箱たるPaaS(IoTプラットフォーム)になります。

機能と効果 Features and effects

センサーやデバイスから収集したデータを処理し蓄積するのが主な役割です。例えばAIサービスとの連携でデータ分析や解析をしIoTクラウドに戻すことで蓄積したデータの価値が高まります。

PaaS

PaaS(Platform as a Service)はクラウドの一種であり、例えるならば、API経由で利用できるミドルウェアをクラウドサービスとして提供するものです。PaaSの優位点は「開発者が環境構築の手間を掛けずに、アプリケーション開発に専念できる」ことです。

IoT PaaS IoT Platform as a Service

IoTのPaaSは、アプリケーション開発も必要とされますが、デバイス開発、通信回線なども必要とされますので、それらの中継役としての役割も果たします。データ収集・蓄積機能、データ分析・可視化機能を持ち合わせていることがIoT PaaSの特徴です。

IoTとクラウドを詳しく知りたい方へ

IoTクラウドサービスでIoTシステム開発を加速させる

IoTクラウドを利用すると、IoT開発における課題をクラウドサービスで解決し、開発を加速させることができます。具体的な解決方法と活用事例をもとにサービスをご紹介します。

IoT開発

IoT開発とは、モノに通信機能を搭載してインターネットに接続し、データを収集・分析・活用するためのシステムを開発することです。現実世界の物理的なモノに通信機能を搭載して、インターネットに接続・連携させる技術を利用するために、モノに搭載する通信機能付きデバイスである「エッジデバイス」、エッジデバイスから収集したデータを処理・分析するサーバシステムである「クラウド」、クラウドで処理・分析したデータを活用するソフトウェアである「アプリケーション」の3つの要素が重要です。開発の大まかな流れは、システムの目的や機能、必要なデータを定義する「要件定義」、システムの構成やアーキテクチャを設計する「設計」、エッジデバイス、クラウド、アプリケーションを開発する「開発」、システムをテストする「テスト」、システムを運用・保守する「運用・保守」になります。

開発技術

IoT開発技術は主に4つの分野に別れます。1つ目はモノを開発するための「ハードウェア」や「ファームウェア」の知識が必要で、場合によってはモノからデータを収集する「センサー技術」も必要です。2つ目は「通信技術」でモノとインターネットを接続するための技術でありネットワークの知識が必要になります。3つ目は「データ収集・分析技術」でエッジデバイスやクラウドでデータを収集・分析するための技術であり、クラウドの知識やデータ分析で利用するAIの知識が必要になります。4つ目は「アプリケーション開発技術」でクラウドやエッジデバイスで動作するアプリケーションを開発するための技術であり、開発するためのプログラム技術や知識が必要になります。

開発の流れ

IoTは変化が激しい分野であるため、試行錯誤を重ねることが重要です。変化に対応するべく、従来実施してきたPDCAサイクルよりもOODAループのような手法が有効です。異なる点はまずはやってみてから、次を考えるという流れです。企画段階での新しいアイディアを色々と試す形をとることで、様々な状況判断から取るべき行動を決定し、速やかに開始し試行錯誤を繰り返しやすくなります。製品化(量産化)までの大きな流れは、概念実装(PoC)からプロトタイピング作成テストマーケティングを繰り返すことです。製品化(量産化)ではベータユーザによる評価が満足の行くものとなった段階で、正式な製品として踏み切ります。一般的に、量産に移行する前に試作品の設計上の問題を解消することになるため、量産品の方が試作品よりも高品質になります。ただし開発内容によって適性が分かれるため、主に以下の2つの手法に基づいた方法を選択することが多いです。

アジャイル開発 Agile

アジャイル開発は小さなサイクルで短い期間を繰り返し開発を行う手法です。メリットは開発スピードが速い、仕様変更に柔軟に対応できる、ユーザーニーズを取り込みやすい、チームワークを強化できる、品質を向上させやすいなどです。デメリットは、全体のスケジュールやコストの管理が難しい、方向性がブレやすい、コミュニケーション量が増える、技術力や経験が要求されるなどです。

アジャイル開発

試行錯誤を重ねながら進める点では相性もよく考え方としては似ているところです。具体的には短い期間を繰り返すところから激しい変化にも柔軟に対応できることや、アルファ版やベータ版リリース後のユーザフィードバックを取り入れながら「判断」「決定」のステップでより良い行動につながることです。また「行動」「観察」の段階では反復開発でより良い結果を導くことが出来る点も関連性が強いです。

OODAループ

ウォーターフォール開発 Waterfall

ウォーターフォール開発は上流工程から下流工程への順次開発を進めていく手法です。メリットは計画・予測がしやすい、品質管理がしやすい、進捗管理がしやすい、構造がシンプルでわかりやすいなどです。デメリットは、仕様や要件の変更に柔軟に対応がしずらい、開発期間が長期化しやすい、開発コストが高くなる可能性があるなどです。

ウォーターフォール開発

ウォーターフォール開発の開発工程と実装まではPDCAサイクルの「計画」「実行」に当てはまります。現状を正しく把握し目標を明確にして計画を実行可能なものにすると着実に進めることができます。実装後のテスト工程では「検証」をして開発工程と照らし合わせます。「改善」ではウォータフォール開発の開発工程を小さく頻繁に反復することでユーザフィードバックを確実に取り入れて効果的な改善が可能になります。

PDCAサイクル

SDK

SDK(Software Development Kit)とは、ソフトウェア開発する上で必要なプログラム、API、サンプル、設計情報などの文書をまとめてパッケージ化したものです。ソフトウェア開発キットとも呼ばれ、ゼロベースでソフトウェア開発を行うときと比べて効率的な開発が可能になるため、アプリ開発や既存システムへの機能追加などの目的で、様々な開発現場で利用されています。さくらのモノプラットフォームでは、IoT開発に必要な設計情報を公開しています。公開情報は主にIoTデバイスの設計情報である「デバイスSDK」やクラウドアプリケーション開発に参考となる「クラウドSDK」などです。設計情報のデバイスSDKは、プラットフォームに接続するデバイスのファームウェア開発をお手伝いするためのサンプルファームウェアやサンプルプログラムを公開しています。

設計情報 Design

開発の参考となるソースコードやハードウェアの情報群です。これらを参照することでデバイスの設計や実装を省力化します。ソースコードはMITライセンスにて公開します。

IoTデバイス

IoTデバイスとはインターネットに接続された機器のことです。具体的には身近な温度を測定したりする制御装置をエンドデバイスやIoTデバイスと呼び、実態はCPUでセンサーなどを制御する組み込みシステムなどを示します。クライアントサイドで利用されている大まかな種類は「センサモジュール」「マイクロコントローラー」「シングルボードコンピュータ」などが存在します。またこれらを搭載したプロトタイピングのために用いられる「基板」も存在し、製品化をする際に同様のものが利用されていることも増えてきています。サーバサイドでは「IoTゲートウェイ」がハードウェアで該当します。ソフトウェアでは「プログラミング」「ファームウェア」がキーワードとして多く出てきます。IoT開発はハードウェアに該当するIoTデバイスをもとにソフトウェアと連携をすることを総合的に取り組みます。

生成AI向けクラウドサービス開始に向けて

さくらインターネットは経済安全保障推進法に基づく特定重要物資である「クラウドプログラム」の供給確保計画に関する経済産業省の認定を受けました。
AI時代を支えるGPUクラウドサービスの提供に向けて、3年間で130億円規模の投資をし「NVIDIA H100 Tensor コア GPU」を搭載した、
合計2EFLOPS(エクサフロップス)の大規模クラウドインフラを整備することを決定しました。
さくらインターネットは今後も「『やりたいこと』を『できる』に変える」という企業理念のもと、
IoTとAI技術の可能性を追求し、新たなサービスの提供に挑戦していきます。

商号
さくらインターネット株式会社 (SAKURA internet Inc.)
代表取締役社長
田中 邦裕
所在地
  • 本社
    大阪府大阪市北区梅田1-12-12 東京建物梅田ビル11階
  • 東京支社
    東京都新宿区西新宿7-20-1住友不動産西新宿ビル 32F
  • 福岡オフィス
    福岡県福岡市中央区赤坂1-12-15 赤坂門プライムビル 7F
  • SAKURA innobase Okinawa
    沖縄県那覇市松山1丁目2番13号 長谷工那覇ビル1F
設立
1999年8月17日
上場証券取引所
東京証券取引所プライム市場(証券コード:3778)
資本金
22億5,692万円
従業員数
連結 755名 (2023年3月末)
主要事業
クラウドコンピューティングサービスなどの提供、IoT関連事業
データセンター運営
さくらのモノプラットフォーム

IoT開発支援サービスで、
IoTシステムを導入しませんか?

さくらのモノプラットフォームは、IoTシステム開発に必要なバックエンド機能の「プラットフォーム」、主にIoTデバイスの開発の参考となる情報を商用利用可能なMITライセンスで公開している「設計情報」、「さくらのセキュアモバイルコネクト」と統合されたマルチキャリア対応の安全なモバイル回線の「通信回線」を一貫して提供するIoTプラットフォームサービスです。

IoT向けプラットフォームサービス

さくらのモノプラットフォーム

さくらのモノプラットフォームは「技術・ビジネス・人・物を、ひとつにつなげるIoTの道具箱」をコンセプトとしたIoT開発支援サービスです。IoTシステムに欠かせないIoTシステム開発のに関することはお任せください。